なんでそんな風になってしまったの？



友人が言葉を飲み込むのがわかった

言葉にはしなかったが

なんとなく雰囲気で解った



なんで？



じゃあ逆に訪ねるけど

今迄君は誰一人として苦手意識をもった相手はいないのかい？

いないわけないだろ？

世の中　合わない奴等の方が多いくらいだ



なのに面白い事を聞くもんだ

なんでって　裏切られた事があるからだよ



慕っていたと思っていた奴等全員から

嫌われている真実を聞かされたからだよ

笑っちゃうだろ

それに対して僕も笑って聞いてたんだ



人なんてそんなもんだ

僕はもう終わりにしていい

だって君からの利益は見出だせない



こんな事伝えたらイケナイ事は解ってる



だってそれって相手からしたら予想外の“裏切り”行為



でも“真実”なのに──



僕の周りから

形だけの友人とやらは居なくなる

僕からしてみれば何もかもが形だけの関係



だって人は簡単に“裏切る”んだから──

解ろうと理解しない奴等なんて

一生解らなくていい



そして僕が居なくなった時に

後悔すればいいさ──



所詮僕はお前等にとっては

ただの操り人形



糸が絡んで動けなくなったその時は

懐に忍ばせたナイフで全て切り落として

自由になる──

ビルの屋上から飛び降りる感覚に時折教われる

実際に落ちた事は無いけれど

なんとなく落ちてゆく感覚だけが

全身にまとわりついたまま離れていかない

この感覚は何度味わっても良いもんじゃない



だけど　時々窓から外を見下ろしている時に

瞼の裏では身体が落ちて行く姿を想像している

想像だけで踏みとどまれれば

また明日にでも同じ事を繰り返せるのだ

繰り返して繰り返して

気づいたら

いつの日にか現実になっているだろう

人はいつでも無い物ねだり

あれがないこれがないと宣う



手を伸ばす気もさらさら無いくせに

いくらでも吐き出せる唇で

ぴーちくぱーちく

ぴーちくぱーちく

煩いったらありゃしない



いっその事その唇に針刺して

上唇と下唇を鉄線で縫い合わせてしまえ